【クリーンルームコラム】クリーンクラスと設備・機器のいろいろ

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【クリーンルームコラム】クリーンクラスと設備・機器のいろいろ

「不良品の発生率を下げるため、異物対策を強化することになった」「ラインの増設により、既存のクリーンルームでは対応が困難になった」など、さまざまな理由があってクリーンルームを設置することが必要となります。そんな時にまず考えるのが、クリーンクラスです。作業空間内で要求されるクリーンクラスを満たすことが肝心ですが、だからといって過度な設備導入は避けたいところ。ここでは、クリーンクラスと設備・機器についての解説、導入時に考慮するべきポイントを考えていきましょう。

 

クリーンクラスって何?どうやってクラスが決まるの?

 

クリーンルームは

「空気中に浮遊するほこり等の不純物(コンタミネーション)などが、あらかじめ決められた数値以下になるよう管理されている区切られた空間」

と定義することができます。

 

このコンタミがどのくらい少ないかを示す度合いが、クリーンクラス(清浄度)です。

クラス分けとしては、JIS規格やISO規格も存在しますが、

よく使われるのは米国連邦規格(Fed.Std.209D)です。

 

この米国連邦規格では1 立方フィートあたりに浮遊する微粒子の数を指します。

ただし、微粒子の大きさは0.5マイクロメートル以上とされており、

空気中に浮遊する微生物やウイルス、蒸気、煙に含まれる物質などは除外されます。

 

さて、クリーンクラスは微粒子の数によって、以下の通り称されます。

1個=クラス1

100個=クラス100

1000個=クラス1000

10000個=クラス10000

そしてクラスの数が小さいほどコンタミが少ない、清浄度合いが極めて高いことになります。

クラス1という高いクリーンクラスは半導体工場、

具体的にはシリコンウエーハのパターン形成におけるナノ単位のエッチング加工など、

超精密な加工機器が用いられる加工工程で求められます。

 

クラス100は精密機器や電子部品、光学機械などの製造現場、

食品・薬品などの加工現場などがあてはまります。

 

クラス1000以上となると、印刷や自動車等の部品製造、病院の治療室や手術室などが

おおむね当てはまるといったイメージです。

また、業種や製品にかかわらず、原料の性質や工程の精密さによっても

求められるクリーンクラスは大きく異なることがあります。

 

歩留まりの向上、異物混入対策など

「クリーンルーム設置で達成したい目的、目標」をまず明確にしたうえで、

それらにあったクリーンクラスがどの程度かを見極めることが大切です。

 

 

クリーンクラスを創り出す設備・機器のいろいろ

 

それでは、必要なクリーンクラスに最も大きな影響を与える

設備・機器についてみていきましょう。

 

一般的にも知られているのは、フィルターと吸排気設備です。

最近では家庭用の空気清浄機にも取り付けられていますが、

HEPA(High Efficiency Particulate Air Filter)フィルターが有名です。

 

ちなみにHEPAフィルターは、ガラス繊維製の濾紙で、

「定格風量で粒径が0.3 µmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルター」

とJIS規格で規定されています。

 

高いクリーンクラスを維持するには、

HEPAフィルターに代表される高性能フィルターを効果的に用いること、

また適切な維持管理を行うことがまず重要となります。

 

加えて、陽圧(外よりも圧力を高める)にするOA供給設備、陽圧ダンパー等も

クリーンクラスを高めるためには効果的です。

 

また、ルーム内でのほこりの発生・体積を抑える室内構造を作るため、

壁や天井に断熱パネルやクリーンクロスを張る、

長尺の塩化ビニールシート等を床に敷く

といった施工も行います。

 

さらに付帯的な設備として、

作業者自身がほこりを持ち込まないためのエアシャワーボックス

などが必要なことも。

また、湿度や温度、気圧を調整する設備・機器も、作業する内容によっては

設置を検討することになります。

 

クリーンクラスを維持していくには、単にクリーンルームを設置するだけでなく、

総合的に設備・機器を備も含めて検討しなくてはなりません。

ただ、要求される内容がハイレベルになると、その分だけ設備投資額が大きくなります。

 

 

適切な維持・管理は、コスト削減にも効果あり!?

 

クリーンルームは一般的な建材とは異なり、代替がきかないことも多くあります。

そのため、コストを削減する選択肢も限られてしまうと思われがちです。

 

ただ、ハイレベルでのクリーンクラスを要求されない場合は、

工事を最小限にとどめることができる簡易クリーンルーム、クリーンブース等も検討できます。

 

また、ランニングコストについては、交換用フィルターがコスト全体の大部分を占めますから、

交換頻度を下げるためにも、クリーンルーム周辺の清掃を定期的に行う、

クリーンルーム入室者を対象にコンタミ教育を徹底する

といった地道な活動こそ、効果を発揮するといえるでしょう。

 

また、工場によってはパーティクルカウンタ(微粒子計測器)を用いて

クリーンルーム内を定期的に測定し、コンタミの状態を確認しているケースもあります。

 

単に設備を整備して終わりではなく、そのクリーンルームがクリーンクラスを維持し、

適切に管理されているかを定期的に点検し、見直すことは重要です。

 

それは製造工程に対する顧客の信頼性を向上させるだけでなく、

より効率的で低コストに維持管理ができる可能性もあるからです。

 

クリーンルームを設置する際には、

求められるクリーンクラスを維持しつづけるためのソフトな仕組みづくりも含めて

システムを選択し、構築する方がよいといえるでしょう。

By |2019-03-06T02:34:52+00:003月 5th, 2019|クリーンルームコラム|